【効能】 祛風湿、止痛、利水 1.風湿痺痛に用いる。性は寒であるので、湿熱証に適用する。 寒湿による痺痛に対しては、桂皮、附子などの温経止痛薬を配合しなければならない。 2.水腫、腹水、脚気の浮腫に用いる。 利尿、下焦の湿熱を清利することができる。 常に利水退腫薬と配伍する。 たとえば、葶藶子、椒目、大黄を配合すると、已椒葶黄丸となる。 虚証なら、益気健脾薬を配合する。 3一般に漢防已(S.tetcrandra S. Moore)は利水退腫の作用が強い。 木防已(A.westlandi Hemsl)は祛風止痛の効果が良いと認められている。 【基原】 ツヅラフジ科 Menispermaceae のシマハスノハカズラ Stephania tetrandra S.MOORE. (中国産)の根、日本では同科のオオツヅラフジ Sinomenium acutum REHD. et Wils. (日本産)の蔓性の根茎および茎を防已(漢防已)に当てており、これは中国における清風藤と同一基原である。 木防已と称されるものはウマノスズクサ科のウマノスズクサ属植物 Aristolochia fangchi WU やツヅラフジ科の Cocculus trilobus DC. などの根である。 【性味】 苦、辛/寒 【帰経】 膀胱、腎、脾 【用法・用量】 煎剤。1日2〜6グラム。 【註意事項】 性味の苦寒は激しいから胃気を傷つけないように大量に使用することを避ける。 食欲不振や陰虚で湿熱がないときには、禁忌である。

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