【効能】 活血止痛、消腫生肌 1.生理痛、無月経、胃痛、風湿による痺痛、打撲損傷、急性化膿性疾患の腫痛、急性虫垂炎などの証候に用いる。 乳香の性味は辛散、温通で、活血化瘀の作用があるし、行気散滞することもできる。 臨床で、内科、婦人科、外科、整形外科の瘀滞疼痛に用いると、活血止痛の効果が特によい。 生理痛、無生理には、当帰、川芎、香附子などを、胃痛には川楝子、延胡索などを配合することができ、風寒湿による痺証には、羗活、秦艽、当帰、海風藤などを配合する。打撲損傷による瘀痛には、没薬、血竭、紅花、麝香を配合する。 急性化膿性疾患の腫痛には、没薬、雄黄、麝香を配合する。 急性虫垂炎には、紅藤、紫花地丁、連翹、銀花などを配合する。紅藤煎 2.化膿症が潰瘍になって、傷がなかなか癒合しないときに用いる。 没薬を配合した粉末(たとえば海浮散)を傷に散布する。 肉芽形成促進、鎮痛作用がある。 このほか、臨床でよく活血散瘀、あるいは祛風止痛薬を配合して膏薬を作り、打撲損傷による瘀滞腫痛、あるいは風湿による痺痛などの証候に外用する。 【基原】 カンラン科 Burseraceae の Boswellia carterii BIRDW.、その他同属植物の樹幹から滲出する膠状の樹脂 【性味】 辛、苦/温 【帰経】 心、肝、脾 【用法・用量】 煎剤、丸剤、散剤。1日1〜3g。 【註意事項】 乳香の味は苦で、煎じるとやや濁り、胃の弱い者が多く飲むと嘔吐が起りやすいので、量を少なめにする方がよい。 胃の弱いものには慎重に使うべきで、瘀滞がないもの、妊婦には用いない。

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