【効能】 益気養陰、補肺脾腎 1.脾気虚弱、食欲不振、泥状便あるいは下痢に用いる。 山薬には、補脾気益脾陰の効果があり、渋性も兼ねて止瀉作用がある。 常に、人参、白朮、茯苓などを配合する。 2.肺虚喘咳に用いる。 山薬には肺気と肺陰を補う作用があり、肺虚による慢性咳嗽あるいは祛喘に効果がある。 一般には、党参、麦門冬、五味子などを配合して使用する。 3.腎虚による遺精、頻尿、婦人の帯下病に用いる。 山薬には補腎、固渋の作用があり、熟地黄、山茱萸を配合して、腎虚遺精の治療に使用する。 益智仁、烏薬を配合して、腎虚、頻尿の治療に使用する。 婦人の帯下が過多になるのは、脾虚有湿あるいは腎虚不固と関係がある。 山薬に党参、白朮、車前子などの健脾利湿薬を配合して、脾虚有湿による帯下過多症の治療に用いる。 帯下が黄色いのは湿熱によるもので、黄柏を加えるべきである。 腎虚不固による帯下過多症を治療するときには熟地黄、山茱萸、莵絲子などの補腎固渋薬を配合して使用する。 また、山薬には補気養陰の効果があり、消渇の治療に効果がある。 毎日250gずつ水煎して茶の代わりに服用するか、黄耆、葛根、知母、天花粉などを配合する。 【基原】 ヤマノイモ科 Dioscoreaceae のナガイモ Dioscorea batatas DECNE. の外皮を除去した根茎(担根体)。日本産はヤマノイモ D. japonica THUNB. に由来する。 【性味】 甘/平 【帰経】 脾、肺、腎 【用法・用量】 丸剤、煎剤、散剤。1日5〜10グラム。 【註意事項】 養陰助湿の作用があり、湿盛、脘腹膨満、積滞の者には禁忌である。

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